くっすん大黒/町田康

くっすん大黒

くっすん大黒

「くっすん大黒」「河原のアパラ」所収。この2作はよく似ていて、

  • 主人公が無職で金がない。
  • 仕事を依頼されて旅に出る。
  • 頭のおかしな人が出てきてひどい目に遭う。
  • オチがなく終わる。
  • タイトルに意味がない。ちなみに、「くっすん大黒」は、主人公の名前(楠木→くっすん)と冒頭のエピソード(大黒様の置物を捨てに行こうと主人公が思いつく)が意味もなく結合されているだけだし、「河原のアパラ」は、結末近くのエピソード(河原での撮影現場に遭遇し、それがなんとなくオペラっぽかった)に由来する。

といった共通パターンが認められる。
帯に福田和也が「岩野泡鳴葛西善蔵以来の正統に立つ」と書いてある。