旅する力―深夜特急ノート/沢木耕太郎
ロンドンに到着して終わる『深夜特急』は、実際にはその後、ロッテルダム→アムステルダム→デュッセルドルフ→ケルン→アーヘン→ブリュッセル→パリを巡り、パリのオルリー空港(藤圭子に遭遇)からモスクワ経由のエアロフロートで日本に帰国したそうな。
『深夜特急』に影響を与えた人物や書物として、小田実『何でも見てやろう』、井上靖「アレキサンダーの道」、エリアス・カネッティ『マラケシュの声』、小林秀雄、松田毅一(南蛮学)、ポール・ニザン『アデン・アラビア』、檀一雄『風浪の旅』などなどが挙げられている。
小島一慶のラジオ番組あてに旅先から手紙を送っていたとか、著者がまだ駈け出しの頃にTBSディレクター時代の田中良紹から仕事をもらったとか、意外なエピソードもいろいろと。