フロム・ヘル/アラン・ムーア

漫画「切り裂きジャック事件」。かなり昔の作品なので仕方ないけど(1989年初出・1999年単行本)、漫画に関して世界最先端を突っ走る我が国においては本作もごく普通の印象。むしろ芸術的すぎて一見キャラが誰だか分からないエディ・キャンベルさんの絵がかえって邪魔かも。テーマも結局はロンドンローカルな殺人事件なので、漫画化された『日本の黒い霧』を外国人が読むようなものか。実在の迷宮入り事件を題材に独自の解釈を提示してる点は韓国映画殺人の追憶』ぽい。
みすず書房ブランドといい高額な価格設定といい、マルちゃん「焼きそば弁当」が君臨する北海道で「ペヤング」を三越の包装紙で丁寧にパッケージして500円で売ってる感じ。