ヨウスコウイルカの絶滅

ヨウスコウイルカ絶滅か 餌の減少や環境破壊で
神戸新聞 2006/12/14 11:39

 中国の長江(揚子江)だけに生息する珍しい淡水イルカのヨウスコウカワイルカ(バイジー)は絶滅したといえると、中国や米国などの研究グループが14日、明らかにした。

 日本の研究者も加わり、11月から12月、6週間かけて長江で延べ3500キロにわたって大規模な調査を行ったが、1頭も発見することができなかったという。

 バイジーは、数百万年前から生息していたとされる小さな目の白いイルカで、中国では「長江の女神」と呼ばれた。1980年代初めには約400頭が生息していたとされるが、1997年の探査では13頭が見つかり、2004年には1頭の目撃報告があった。

 グループは、長江の頻繁な船の往来がバイジーが餌をとる際の妨げとなったほか、餌の魚の乱獲や水質汚染が生息環境を悪化させたことが減少の原因としている。

そもそも「種」というのは我々人間の一部の人たちが決めた恣意的な分類である。したがって、絶滅は寂しい現象ではあるけれど、それは我々人間の勝手なノスタルジーであって、自然の側からすると、希少だからといって特定の種を保存することに意味はない。
例えば、世界に1人しかいない髪の毛の色の持ち主が死にそうだとして、このままだとこの髪の毛の色が絶滅してしまうから国家プロジェクトで人工授精を行う、というような滑稽な状況と本質的に違いはあるのか。
ヨウスコウイルカの絶滅を防ぐには、惑星の数を1つ減らしてしまったように、独立の種として分類するのをやめてしまうのが一番てっとり早い。日本産のトキも、中国のトキと同じ種だった、ってことにすればいい。