大いなる看取り―山谷のホスピスで生きる人びと/中村智志

大いなる看取り―山谷のホスピスで生きる人びと (新潮文庫)
中村 智志
新潮社
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東京・山谷にあるホスピス「きぼうのいえ」の入居者を「週刊朝日」副編集長が取材したルポ。
書名に「きぼうのいえ」と謳ってはいるものの、実は、本書における「きぼうのいえ」は単なる舞台/背景といったところで、著者が本当に興味のあるものは、入居者それぞれの波乱に満ちた人生そのものらしい。様々な人生が次々と紹介されて感動もするけど、人生長いことやっていれば誰でも本の1章分程度の物語は持っているものだから、一般の老人ホームの入居者を取材しても同じルポが出来上がるような気もした。
運営者の山本さんはほとんど登場しないので、どちらかといえばこちら↓から読んだ方がいいかも。

山田洋次監督の映画「おとうと」(2009)に「きぼうのいえ」をモデルにした「みどりのいえ」が登場することになった顛末が、巻末の著者と監督の対談で明かされている。